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遺伝カウンセラーについて

名前
近親婚

読み仮名
きんしんこん

英語名

簡易説明

意味
遺伝カウンセリングにおける近親婚の相談は、民法で「直系血族および三親等内の傍系血族ならびに直系姻族との婚姻を近親婚として禁じている(広辞苑)」ので、主に四親等以上の近親婚を対象とします。 その中で最も近縁なのは、いとこ婚です。 集団を考えた場合、近親婚は一般に先天異常の発生リスクを上昇させるが、これは近親婚カップルのそれぞれが共通祖先から同じ病気の原因遺伝子が伝わっている可能性が高くなるためです。 例えば、いとこ婚の場合共通祖先とは祖父母であり、いとこ同士は遺伝子を 1/8ずつ共有することになります。 これを第三度近親といいます。第○度近親というのは、法律上用いられる○等親とは異なり、遺伝的な近さを表現するものです。 例えば、親子(一等親)も兄弟姉妹(二等親)も同じ遺伝子を共有する確率はどちらも1/2です。 近親婚での実際の先天異常の発生リスクは、集団内でのその疾患の一般頻度によってかなり差があるので、非近親婚に対して近親婚での先天異常のリスクがどの程度高いのかをまとめて言うことはできず、「この遺伝病の場合は一般頻度に比べると○倍になる」という形で示されます。 近親婚で問題になる遺伝病は「常染色体劣性遺伝病」です。 常染色体劣性遺伝病とは、例えばaという遺伝子が病気の原因遺伝子であると仮定すると、通常私たちは遺伝子をペアで持っているので、組み合わせとしてAA、Aa、aaの三とおりが考えられますが、この3通りのうちaaの組み合わせになった時にのみ発症する遺伝病です。 (これを「劣性ホモ接合」といいますが、劣性という言葉に劣っているという意味はありません。 ヘテロ(Aa)のときに表面に現れるタイプAを「優性」、隠れるタイプaを「劣性」としている遺伝学用語です)。 実際にどれくらいリスクが上昇するか計算してみましょう。 ある常染色体劣性遺伝病の遺伝子を持つ人が一般集団内で100人に1人存在するとします。 非近親婚の場合、その一般頻度は、1 / 100 × 1 / 100 × 1 / 4(遺伝子型が劣性ホモになる確率) = 1 / 40000 で4万人に1人です。 いとこ婚の場合、その夫婦の子どもで劣性遺伝子がホモになる確率は、1 / 100 × ( 1 / 2 × 1 / 2 )2 × 2× 1 / 4= 1 / 3200 となり3,200人に1人となって、4万人に1人と比較すると発生率が12.5倍となることがわかります。 一般頻度が低い疾患ほど近親婚での発生率は高くなりますが、健常者が生まれる率と患者が生まれる率を比較してみれば、健常者が生まれる率の方が圧倒的に高くなります。 また、(近親婚でない)一般集団での先天異常全体の発生頻度がすでに数%あることを考えると、近親婚のみの先天異常発生を過度に心配することが偏った見方であるといえます。 もちろんリスクが一般よりも高いことは事実であり、近親婚のカップルから先天異常の子どもが生まれることはあるかもしれませんが、その場合も近親婚が原因だったとはいいきれません。 こういった遺伝学上のリスクを当事者同士がよく理解したうえで、当事者以外の家族にも正しく理解してもらい、最終的な判断は当事者同士がすべきだと考えられます。

画像解説

備考

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